大阪の思い出・その4

タテヨコ企画第37回公演
短篇集『谷繁』〜さすらいの日本人、行方知れず。
作・演出 横田修
【東京公演】2019年8月26日(月)~9月1日(日)【大阪公演】9月13日(金)~15日(日)【藤枝公演】10月12日(土)・13日(日)
【出演】市橋朝子 加藤和彦 舘智子 西山竜一 久行しのぶ
【会場】sancha teatretto(東京都世田谷区) IKサロン表現者工房ブラン大阪府大阪市生野区白子ノ劇場静岡県藤枝市

舞台写真:(左から)西山竜一、舘智子

 『待たない人々』以来、継続的に行ってきた東京・大阪の二都市公演を他の場所でも行いたいと考えました*。そこでボリュームの小さな作品を創り旅公演に出向くことにしたのです。病気入院の為に前作(『三人の姉妹たち』)を降板した自分にとってはお礼行脚の意味合いもありました。

 

 『谷繁』は短篇集の表題作です。この時は新作『稽古前の時間、あるいは超能力に関するメモ』**との2本立てでした。客演は一切呼ばなかったですね。一時旅先からそれぞれゲストをお呼びすることも検討しました。しかし私の体調もあってこの時はシンプルな座組で行くことにしたのです。劇団と名乗っていながら劇団員だけの舞台は実はこの時が初めてでした。その意味では、この『谷繁』こそがタテヨコ企画本来の姿なのかもしれません。

 

 舘の演じる「谷繁」(舞台写真の右側)は各地で人気者でした。ストラップでも作ったら売れたに違いありません。ちなみに彼女は三代目の「谷繁」です。

 

 「五十にして天命を知る」などと言います。翌年50歳になる2019年、私としては色々考えざるを得ない年でした。手術暦があるためにもう新たな保険に入れません。ローンも組みにくいようです。他にも体調を鑑みて断念したことが幾つもありました。その反面、覚悟を決めたこともあります。誰にだって人生がいつまで続くか分かりません。それでも出来る限り演劇を続けていこうと。先月52歳になりました。今のところ、その覚悟は続いています。 

 

 さあ!来週には覚悟の大阪公演『ゾウとパンダと見えない虹のはなし』が始まります。今回は過去一可愛いタイトルを付けてしまいました。決してファンタジーではありません。人間という「動物」たちの群像劇です。表現者工房へ是非見届けにお越し下さいね。座組一同、皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます!

 

◎予約フォーム(大阪用)
https://www.quartet-online.net/ticket/tateyokokikaku42osaka?m=0ahcgdc

 

 横田修 拝

 

*旅公演3箇所目の藤枝では、台風19号の直撃を受け初日を中止に(翌日に追加公演実施)。旅公演先で台風が通り過ぎるのを待つのはなんだか不思議な気分でした。

 

**『稽古前の時間、あるいは超能力に関するメモ』にて試みたヘンな方法は次作『誰かの町』(2021年3月・大阪公演中止)に繋がりました。