ゲストのご紹介・大トリの四人目◎林周一(風煉ダンス)


 学生時代に憧れた劇団が二つありました。一つは青年団http://www.seinendan.org/)で最終的にそちらへ参加したのですが、もう一つが林さんの風煉ダンス(https://www.facebook.com/furendance)でした。大学卒業後の進路に迷っていた時に、倉庫のようなタタキ場(兼稽古場?)へ見学に行きました。そこで炊き出しのカレーを振る舞ってくれた林さんの姿を今でも覚えています。小劇場の小さな空間にスケールの大きな舞台装置を組んで、それらに負けない俳優達の圧倒的な肉体が動き回る。観劇中に「わー!」と大声で叫んでしまったのは後にも先にも風連ダンスだけですね。「静かな演劇」という言葉が出回る前、1990年代初期の頃のお話です。ちなみにタテヨコ企画を立ち上げは1999年。時は流れるものですなぁ。



 見立てるならば、林周一さんはジャッキー=チェンのような甘いマスクの超人ハルクといったところでしょうか。舞台上で前から見ても後ろから見ても絵になります。きっと真上から見ても真下から見てもそうなんじゃないですか。観客数が三百人規模の舞台上でぼそっと発した声が、最後列で観劇する観客の耳元にまるで目の前で喋ったかのように届くんです。荒唐無稽な話ですが私の実体験なんですよ(ノックノックス『人魚姫』観劇時)。書いてて自分でもバカらしいと思います。大学の先輩だから無駄にヨイショしたいわけでもありません。要はそれほどまでに圧倒的な存在感なんですよ。すごい俳優さんなのです。今回ご一緒できて本当に光栄です。


 さて。そんな林周一さんが演じるのは、怪我をしたゾウの飼育員・吉田です。半年の入院を経て久し振りに復帰した動物園で、ちょっとした騒動を引き起こします。どうぞ刮目してご覧ください!


 動物たちのドラマ、人間たちのドラマ、その両方が絡み合う『ゾウとパンダと見えない虹のはなし』は間もなく開演の日を迎えます。どうぞご期待下さい。劇場でお待ち申し上げますー!


横田修 拝