写真を見れば一目瞭然、まえ君はお花の似合うかわいい人です。お芝居も基本的に物腰が柔らかくて、どんなにキツいやり取りもどこか微笑ましく見えるから不思議です。物腰柔らかオリンピアンとでも言いましょうか。だから反対に、時折見せる別の表情が際立つのですね。きっと生来のものだと思いますが、なかなか得難い資質だと思います。
出会いは表現者工房（大阪府生野区寺田町）が製作した市民参加演劇公演『土に寝ころぶ女たち』（2018）ですね。私は作・演出で、たてちんも俳優として参加していました。まえ君との四年ぶりの共演で感じたことは、彼が大変成長しているということです。きっと良い座組や現場を経てきたのではないでしょうか。私が偉そうに言えることじゃありませんが、もちろんまえ君の姿勢や努力もあると思います。とても素直で良い子なのです。つい「お父さん」のような視点で書いてしまいますが、考えてみれば二〇歳以上も離れてるのですから仕方がありません。ご容赦を。
まえ君の所属するコトリ会議は、大阪で俄然注目を集める劇団です。ここ数年、東京のこまばアゴラ劇場ほか日本全国、様々な場所を巡るツアーを展開しています。「知ってるよ！」というお方もいると思いますが、知ってる人も知らない人も是非劇場へ足をお運び下さい。面白いですよ！
まえ君はとても格好よくて、気が利いて、サイコーなヤツです。あとマーベルの映画がとても好きです。語り出すとちとうるさいですが。
今回は、関西から東京へ一人出てきて工場で働く青年・谷村和志を柔らかく、でも強い想いで熱演しています。ご期待下さい！
