大阪の思い出・その5

タテヨコ企画第39回公演
『誰かの町』作・演出 横田修
【東京公演】2021年3月24日(水)~28日(日)

【出演】市橋朝子 加藤和彦 舘智子 西山竜一 久行しのぶ(以上タテヨコ企画) 辻川幸代(ニュアンサー) 福永理未 森啓一朗(東京タンバリン)
【大阪ゲスト】竹内宏樹(空間 悠々劇的) 
【会場】小劇場B1(東京都世田谷区)

舞台写真:(左から)森啓一朗、福永理未、竹内宏樹、西山竜一、舘智子

 前回のブログで少しだけ触れましたが、2021年に計画していた『誰かの町』大阪公演はコロナ禍を鑑みて中止にしました*。そのため関西圏で生の舞台を観た人はほとんど居ないと思います。中には配信でご覧になった方が居るぐらいでしょうか。劇団として初めて本格的に取り組んだ舞台の配信でした。最初に公演の計画を立てたのはさらに2年ほど前の2019年です。劇団で公演を配信するようになるなんて、当時は誰一人考えていませんでした、、、

 

 雲行きは2020年3月の『亡者の時代』(作・演出:青木柳葉魚、於:小劇場B1)の頃から怪しくなっていました。柳葉魚の描いたピカレスクな男の物語です。日本中に一斉休校が要請された後、緊急事態宣言が発令される少し前。周囲のカンパニーが次々と公演中止(延期)を発表する中、私たちは手探りで対策を取りなんとか公演を打ちました。「時期が悪かったねぇ」なんて当時は言い合っていましたが、今考えるととんでもない。上演できただけ幸せでした。その後2020年秋にも公演予定でしたがコロナ禍を鑑みて中止に**。『誰かの町』もどうしようか、当時ものすごく迷いました。迷いましたが、万全の対策を取った上で出来る限りやってみようと東京公演のみ実施したのです。今更ながらよく上演したものだと思います。

 

 大阪ゲストとして『誰かの町』には竹内宏樹君が参戦してくれました。最近は舞台でバリバリ活躍してますよね。当時は東京へひと月ほど滞在して頂き稽古・本番を共にしました。しかし稽古場以外への外出は一切出来ず、座組のメンバーと飲食を共にすることもありません。さらに地元・大阪での上演もないのですから実に孤独な状況だったと思います。それでも東京公演の最後まで、竹内君はしっかり付き合ってくれました。ありがとう。この場を借りて改めて感謝申し上げます。東京ゲストのお三方(辻川幸代さん、福永理未さん、森啓一朗君)も素晴らしかった!いつか大阪でお披露目したい演目・ナンバーワンが『誰かの町』であることに間違いはありません。いつになるかは分かりませんが、いつの日か必ず実現したいと思っています。

 

 えー、個人的には名作シリーズの中で描くのに一番苦労した戯曲でしたね。何故かは分かりません。描き上がった時、ものすごくほっとしたことだけは覚えています。

 

 今週末、大阪市生野区表現者工房にてタテヨコ企画の最新作『ゾウとパンダと見えない虹のはなし』を上演します。同演目の東京公演関連のツイートをまとめましたのでご興味あればご覧下さい。

【東京公演感想まとめ】 https://togetter.com/li/1944196

 此度の大阪ゲスト・仲野瑠花さんはうら若きべっぴんさん。大阪公演に向けて益々面白く、可愛く、俳優として日々成長しています。今見とかないと損ですよ。将来有望でしかない彼女の勇姿にもどうぞご期待下さい。

 

 座組一同、皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます!

 

◎予約フォーム(大阪用)
https://www.quartet-online.net/ticket/tateyokokikaku42osaka?m=0ahcgdc

 

 横田修 拝

 

*当初は藤枝公演も計画していましたが、大阪よりも早い段階で中止にしました。


**中止になった企画は、カタチを変えて第40回公演 『RAFTでDADADA』(2021年10月)として本番を迎えることができました。