谷口継夏について本当のことを言う。(青木柳葉魚)
本当のことを言うと、彼には色が無い。
劇団チョコレートケーキが若い俳優を集めてワークショップを始めた。
とても素敵な取り組みだと思った。
と同時に、
しめしめ、こりゃいいや。いい子がいたら唾つけたろ。
という悪知恵を働かす僕がいた。
昨夏、同劇団による『生き残った子孫たちへ 戦争六篇』という6本立ての公演があった。そのうちの1本が上記のワークショップ参加者の公演だった。
僕も別作品に出演していて稽古場を共有していたので、見学と称して若者狩りに出かけた。
ちょうど覗いた稽古場では彼らが悪戦苦闘していた。
若者たちが四人であーでもないこーでもないと話し合ってシーンを作っていた。
その姿はとても尊く、おじさんであるところの僕はジーンと来てしまった。
せ、青春だぁ。。
若者狩りなどすっかり忘れて稽古に見入ってしまった。
結局誰にも声をかけられず、一人感動してその場を去った。
何しに行ったんだ!
チョコのワークショップ参加者は皆すごく素敵で正直全員にダメもとで声かけしたいくらいだった。でもそうもいかねぇ。
本番の記録映像を見直すことができたのでもう一回見直した。
本当のことを言う。
その中で一番色が無かったのが谷口くんだった。
言っておくが、それはとても良い意味だ。
彼と稽古をしているとギュウギュウと音がする。
演出から共演者から普段の会話からギュウギュウギュウギュウとスポンジが水を吸うように何かを得ようとしている。
その姿が
せ、青春だあ。。
おじさんであるところの僕にはとても尊い。
色の無い俳優でいられる期間はとても短い。来年いや半年後の彼にはそれなりの色が出ているはずだ。
だからこそ、この時期一緒に稽古が出来ることがとても嬉しい。
今回の公演が今後彼が身に付ける色の下地の一部になれたらとても嬉しい。
劇場まで谷口継夏(ケイカって読むよ!)をぜひ観に来てください。
毎日急成長しています。このままいくと来年には190センチくらいになりそうです。